この章はオマケです。パリでみつけた、大好きなゲンスブールとサガンにまつわるあれこれをすこしだけご紹介。早起きしてはじめて訪れたジョルジュ・ブラッサンス公園の古本市にて「やあ、きたね」と待ち構えていたのがこのレコード(↑)。これを見るなりなぜか旅の緊張がいっきにほどけて、その後はマイペースで古本&古レコード漁りに没頭できました。


   

このお店はゲンスブール関係のものがかなり充実していて、「cannabis(邦題「ガラスの墓標」)」のサントラとか、カトリーヌ・ドヌーヴとのラブラブEPなど珍しいものを発見。しかしながら中でもビックリしたのが、いちばん右のハヤカワ・ノヴェルズの「ガラスの墓標」。なぜ日本の古本がこんなところに?いったいどういう経緯を辿ってこの本がパリに辿り着いたのか、その数奇な運命を本自身に訊いてみたくなりました。しかしながら値段を見るとなんと50ユーロ!やや迷ったけどあきらめることにしたので、残念ながら写真のみで実物を手に入れたわけではないのです。

  

そして序文にも書きましたが、滞在中9/24に亡くなったフランソワーズ・サガン。
↑上の画像はTelerama(テレラマ)というTVと映画のエンタメ情報誌(日本でいうと「テレビジョン」みたいなもの)で、サガンの追悼特集が組まれた時の街頭広告です。
そして右のが同時期に古本市で見つけた60年代の報道写真誌、Paris Match(パリマッチ)。 まぶしい南仏の海で泳ぐサガンが表紙になっており、画像ではわかりにくいのですが右下に「Bonjour Tristesse(悲しみよ こんにちは)」をもじった、「Bonjour la vie(人生よ こんにちは?)」というコピーがつけられています。la vieって人生という意味以外に、生命とか、生きる喜びみたいなポジティブなニュアンスのあると言葉だと思うのですが、悲しみではなく海と太陽を、ヴァカンスを、人生を思い切り楽しむ若き日のサガン…時は過ぎゆく、ですねー。

    

そして最後に、これは番外編として出発直前に中崎町のsoramimibuncoさんで見つけた本。赤いチェックがボンヌ・ママンっぽくてなんともかわいいマダム・マサコの「巴里案内(昭和32年/講談社)」。なんと、見返しの絵はサヴィニャックです!内容はマサコさんがパリのヴォーグ編集部を訪ねたり、お店や街ゆく人のファッションをチェックしたりと、とても楽しいエッセイ集。飛行機の中の、軽い読み物としてもピッタリでした。旅の原動力はなんといっても「あこがれ」に尽きると思うのですが、海外旅行がまだ一般的でなかった時代の旅本は、実用というよりもより深く、強くあこがれを満足させてくれる究極のガイド本なのかもしれませんね!


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