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東郷青児

etsuro

 

 

 

夜の公園のベンチに座っていて、
どこからか聞こえてくるヴァイオリンの音。
ÉTSUROさんの絵はそんな感じです。
ぼくがヴァイオリンを想起するのは、
モノクロームのイラストレーションに現れる
ペンの〈ふるえ〉です。
あれはÉTSUROさんが、詩を奏でる
心のヴァイブレーションなのだと思います。

−−−−−−宇野亜喜良


 

少女、猫、天使、バレリーナ、小鳥たち、エッフェル塔……。
いくつかの特徴的なモティーフと、上品でシックな色遣い、そして胸を衝く愛らしさ。

戦後、中原淳一の雑誌、『ひまわり』『それいゆ』等で挿し絵画家として活躍した鈴木悦郎さん。
そのせつなく、モダンな世界を一望するはじめての一冊ができました。

ロマンティックな白鳥やバレリーナのレターセット、
パステルカラーのキャンディみたいなシール、
かつて東京の街角にあった「すみれ」という洋装店の包装紙……。
本書では、今を生きる私たちの目にもきらきらと輝いて見える意匠を宝石のようにちりばめました。

また、作品と同じくらい愛さずにはいられない悦郎さんの「人となり」もぜひ感じていただきたくて、
美しいものに囲まれた暮らしぶりや、パリ滞在中の想い出、寺山修司さん、内藤ルネさんなど
文化人とのご交流、ユーモラスなエピソードもたっぷりと収録しています。

私たちが赤ちゃんの頃から親しんできた、
日本人の琴線にふれる「かわいい」という感覚の原点に立つ作家さんだと思います。
引き出しの奥に眠る秘密のノートを手にとるような気持ちでそっと、めくってみてください。

 

2012年2月22日(水)A5   ISBN:978-4-309-72793-6  1,680円(税込)

目次
第一章 雑貨デザイン
第二章 装幀・絵本のお仕事
第三章 ギャラリー
第四章 ゆかりのお店を訪ねて
第五章 挿し絵・カットのお仕事
第六章 バレエのお仕事
第七章 鈴木悦郎先生インタビュー

エッセイ 悦郎先生のお家 田村セツコ

 

*編集&執筆:野崎 泉
*デザイン:堀口 努(underson)
*撮影:伊東俊介(いとう写真)


*全国の書店、amazonなどで発売中
*最新情報はblog「古書渉猟日誌」で随時、お知らせしていきます。http://bbmania.exblog.jp/

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まるで、おとぎの国からのギフトのよう。
お手紙+音楽がひとつになった、ソノシート付き便せん。

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復刻希望者が続出しそうなシール。

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真夏の夜の夢を思わせる、幻想的な少女の文箱。

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洋装店、フランス菓子店など、今はなきお店の包装紙たち。
タイムスリップして、お買い物しに行きたくなります